ブレーキパッド、フルード交換(前編リア編)
 秋も深まり、タイヤ交換を実施したところ、リアブレーキパッドがかなり薄くなっていることに気付きました。目視で3mm程度というところです。純正ですので減りはおっそいので、まだ1年は余裕で持ちそうですが、フルードもずぅっと交換してないし(激安車検を受けたときは自分でメンテしなければなりませんからね)、ダストもすげー出るので、いっそのこと交換してしまおうということにしました(こういうの気付いてしまうと昼夜を問わず交換したいと考え続けてしまう私です)。余談ですが、もちろんめちゃくちゃ時間かけて真っ黒のホイール(内側)は洗浄しました。けれどダストは固着してましたねー。
 
 ブレーキは自他の命にかかわる大変重要なシステムですので、自信のない方はDIYは諦めましょう。難しい作業ではないですが、私のページを参考に作業され、万一重大な事故が発生しても私は責任をもてません。もし作業される場合、100%自分の責任で作業し、念には念をいれて作業中、作業後の安全確認を行なってください。
 
 
 今回新たに私が用意したものは、ブレーキパッド(パッドグリスのおまけつき)、フルード(DOT4、ホンダ純正)、ブレーキクリーナー、水槽用のエアホース、逆流防止弁、シリコンペーストグリス(ゴムにもOKのもの)、あとは作業中にラチェットレンチ用7mmの六角も買ってきました。フルード供給口からフルードを抜き取るためのスポイトがあると便利です。これは100円ショップの化粧用注射器式スポイトで充分です。あとは廃フルード受け用ボトル(ペットボトルで充分)、オイルパックリ、キャリパ吊るし用針金、位ですが、メガネレンチを何種も多用します(詳しくは以下に)。あとはジャッキやウマ、タイヤ輪留め、などなど以下参照。
 
↑パッドは効きは純正と同じくらいでダストがかなり減ると評判のデルファイ製を購入。初期型スパイダーは、フロントキャリパーがルーカス製とATE製がある様で、確認後の注文となった(キャリパーに刻印されてます)。私のはATE製(リアキャリパーはルーカス製だった)。パッドの適合車種を見ると145から156まで多くの車種と同じものみたいだ。
 
 
 
←使い捨てでよいなら、簡単激安でワンマンブリーダーなる古いブレーキフルードをエア噛み無しに排出できるツールを10分で自作できます(あくまで自己責任で)。用意するものは逆流防止弁とエアホース、廃ボトル(廃油の色が見えるように透明のペットボトル推奨)。→
 
 
 
←せっかくパッドを交換するのならピストンボルト、ブーツ周りをグリスアップするラバーグリスを用意し、グリスアップした方が絶対にいいと思う。1000円少々でカー用品店で売ってます。
→作業途中で持っていないことに気付き、近くのホームセンターで購入したラチェット用7mm6角(フロントで使用します)
←フルードは指定のDOT4なら個人的には何でも良いと思う。安かったのでホンダ用購入。一人でブレーキシステム全量を交換するなら500mLでは足りなくなる可能性大。余裕を持って1L買っておく事をおすすめします。
 
 フロントとリアのパッドを一気に交換するのであれば、手順としては、今回の私の経験上、リアブレーキ交換から始めた方が絶対に良いです。なぜかというと、リアブレーキは時間がかかる可能性が大きいから。始める時間は朝8時スタートと行きたいところ。なぜかといえば、途中、ものすごく時間がかかった場合、作業が深夜になると精神的に途方に暮れてしまうでしょ?深夜に「全然終わらねー。泣きたくなるぜ」と感じつつ作業するより、「まだ昼か、まだまだ時間はたっぷりあるぜ」という状況のほうが良い仕事が出来ます。それに、フルード交換は供給口から遠い方からやるのが正解、らしい。したがってリアから、しかも朝からやるのがグーです。
 
 まずはリアブレーキキャリパを外すために、サイドブレーキ調整ボルトを目一杯緩め、ジャッキアップ、タイヤを外します。サイドブレーキは解除し、反対側前後輪には輪留めをを忘れずに。
←サイドブレーキのすぐ下に調整ボルトがある。これを緩めるのに最初は13mmスパナで、緩んできたら指で。
 
 キャリパーが姿を見せたら、キャリパを外すのですが、13mmメガネレンチと15mmスパナで外します。下の写真の黄色矢印13mmボルトが赤色矢印15mmスライドピンの内側を貫通する感じで留まっているので、15mmスライドピンが共回りしないように15mmスパナで赤矢印部を押えつつ、13mmメガネで緩めるというわけ。文字で書いても分かりづらいので、下右写真参照。
↑文章で説明するのは大変だけど、写真で見ると簡単。外すのも簡単です。上下2箇所外します。
 
時計回りに 13mmボルトを上下はずすと、キャリパが外れるようになる。手に軍手をはめて、上下に揺らしつつスライドさせると少しずつキャリパが外れていきます(実に単純な構造ですね)。キャリパを外したら、サイドブレーキワイヤを緩められる位置にもって行き、ワイヤーも外します(引っかかってるだけ、簡単に外れますが元に戻せるように構造はしっかり覚えておきましょう)。単にキャリパに挟まれることで固定されていた古いブレーキパッドは、押えるものがなくなったので簡単に外れます。めちゃくちゃ簡単だなっ、とチョーシこいてるとここから落とし穴にどっぷりハマります。
 さてここからがパワーとコツが必要な作業。ピストン戻し作業です。新しいパッドは厚みがたっぷりあるので、新しいパッドをつけると、ピストンをその分押し戻さなければなりません。以前、ホンダビートのリアパッドを交換したときは、ラジオペンチをピストンの溝に引っ掛けて時計回りに回せばするするピストンが戻ったものですが、スパイダーのピストンはメチャメチャ硬い(俺のだけか?)。鬼のように回らず、鬼の様に押し戻らないです。左手にキャリパを持って、右手のラジオペンチで回すなどという芸当は不可能であることに気付くまで1時間くらい四苦八苦してました。
 コツは、キャリパを針金でダンパーに固定し、左手はキャリパが動かないようにキャリパをしっかりサポートし、キャリパをダンパーに押し付けるようにしつつ、右手でラジオペンチで時計回りに押し回す。という感じ。押す、と回すとを同時に、かつ目一杯の力で行なうことが難しく、ここにコツがあるといっても良いでしょう。ちょっとづつ回ります。そしてちょっとづつ押されます。少し回してはちょっとずつピストンが押されている事を確認し、「よし!すこしずつ回り、少しずつ押し戻っているぞ!」と自分で自分を褒めてあげながら作業を進めましょう。ここでくじけないのがコツです。コツがつかめると結構早く押し戻せます(最初は1時間以上かかりましたが、反対側は10分で押し戻すことが出来ましたから)。ピストンを戻すとフルードがあふれることがあるので供給口は事前に確認し、少しスポイトで抜き取っておく事をおすすめします。
←もうこれが一番大変。
 
←始めはかなり出っ張ってるでしょ?→ツライチになるまで時計回りに押し回し戻します。この時、ピストンの凹溝部分に、ブレーキパッドの凸部がハマるように位置調整します。
 
→リアブレーキパッド。ちっちぇえッス。黄色で囲んだ部分の突起をピストンの凹みに引っ掛けます。いろんな参考書にも書かれていない結構重要な事項です。
 ピストンを回し押し戻したら、パッドの裏?(ディスクの反対側)にパッドグリスを塗り、ブレーキにセットします。キャリパを戻す前に、例の15mmスライドピンおよびゴムブーツを抜き、ブレーキクリーナーで洗浄し、シリコンペーストグリースを塗り塗りし、ブーツにもたっぷりグリスを充填してギューッと押し戻しておきます。 後はキャリパにサイドブレーキワイヤを付けて再びブレーキに組み付けます。この時、ピストンの凹と、パッドの凸が合わさるようにピストン位置を回転し、調整してから組み付けます。簡単ですが忘れてはなりません。これでパッド交換は終わりです。分からなくなったら反対側を見て確認しましょう。
←パッドにパッドグリスを塗り、ブレーキにセット。15mmスライドピンとブーツも組みつけておきます。
↓新旧パッドの形状は一緒。厚さはご覧の通り。
 次はフルード交換です。キャリパのフルード排出口(下左写真参照)ボルトに、8mmメガネをかけ、ワンマンブリーダーをセットします。ルーカス製キャリパの排出口はエアホースより大きめなので、エアホースにラジオペンチの先っちょを突っ込み、広げつつペロッと被せます。まぁ簡単な作業です(先にメガネをかけておくのを忘れずに)。下中央写真がセット例ですが、ホースは上部に一旦上げたほうが良いですね。というのも、ホースを上げておくと排出された(もしくは排出口付近にある)エアーがキャリパに再混入することなく浮力でエアー上部に上がってくれるからです。この技はエア抜きでも絶大な効果を発揮します(下右写真:この写真のみ左後ろキャリパの例)。
 上記セッティングが完了したら、エンジンルームの供給口より新フルードをなみなみと注ぎ、エンジンをかけ(かけなくてもいいのかな?)、8mmメガネレンチを少し開けて(旧フルードを排出可能な状態にして)深呼吸くらいのゆっくり具合でブレーキを5回ほど踏み、戻しを繰り返します(ブレーキを戻す際もゆっくり戻した方がよさそうです)。するとワンマンブリーダーの方に旧フルードがどんどん輩出されます(この時、旧フルードの汚れた色をちゃんと覚えておきましょう)。すぐにエアーも逆流防止弁手前までのホース中にはなくなり(気泡がなくなるということ)、エアーが抜けきりますので、あとは供給口から新フルードを足し→ブレーキを踏み→排出フルードを確認、を繰り返します。旧フルードの色が新フルードの色になったら終了です。排出ボルトをしっかり締め(なめないように!)、ホースを外したら垂れたフルードは拭き取ってしっかり洗浄しておくこと。供給タンクのフルードを切らさなければ、エアーを噛むことなくスムーズに作業は終了するはずです。いつまでもエアーがホースに出てくる場合、エアホース取り付け自体が緩くなってエアーを吸っているかも知れません。作業を終了する目安は「エアーが逆流防止弁手前で確認できないこと」と「新フルードが排出されるようになったこと」です。一人で作業すると多めに排出してしまう可能性が大きいので、フルードは余裕を持って1L購入しておく事をおすすめしておきます(私はまんまとフロントの途中で買ってこなければならなくなりました)。
←新旧フルードの色の変化。見誤ると新フルードも捨て続けることになるので注意。
↑真っ黒のスライドピングリスもすっかり消え去っています。
↑洗浄し新しいシリコンペーストグリスを塗って、
↑ブーツ内にも充填し、再設置します。
 フロントブレーキパッド、フルード交換に続く、、、。
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