MTオイル交換
 マニュアルトランスミッションのギアオイルの交換スパンは、一般的に3〜5万`などといわれている。アルファロメオの場合、新車時でもシフト時にギアが気持ちよく入らないという事を聞くけれど、これはやはり製造標準公差とかが絡んでくるので、個体差が大きいのだと思われる。んで、私のミッションはというと、すこぶるスコスコとシフトチェンジが決まるのです。なんか大当たりの車なのでした。せっかくの当たり車なので、MTオイルは2〜3万`毎に交換していたのですが、これが結構高い。今回は、前回から約2万`経過。そこで初めて自分で交換することにした(自分でいじるのは楽しいしね)。
 簡単に交換できるだろーと考えていたら、結構大変でした。でも一度自分ですると、次回からはメチャクチャ簡単にできることでしょう。
 つまり、交換自体はラクなのだけれど、アルファロメオなりのクセがあるということですな。
 私が感じた大変なポイントは2点。
 
 @ドレンボルトに市販の6角レンチを入れる隙間がないこと!→SSTが必要
 Aドレンボルトがメチャクチャ硬くて、ゆるめるのがチョー大変だったこと(液体パッキンと言うもの
  の仕業らしいです)
 
 自己責任でDIYしたい方のために、あらかじめ必要なSSTをお教えいたします。
 ツインスパークのMTオイルドレンは10ミリの六角なのだが、ただの6角レンチ(250円くらい)はこのボルトに入らない。なんでかというと、レンチが入る隙間がないのである(下の写真参照)、実に理不尽な設計である。こんなところにドレンを取り付けるなよな、と言いたくなる。
←これがミッションなのですが(エンジンに、向かって右側(左座席側)にくっついてる。MTオイル供給は12ミリの6角ボルト、ドレーンは10ミリの6角ボルトです(何でサイズが違うのか良く分からん)。
ちなみに写真では、既に供給口の6角ボルトに12ミリの6角レンチをはめてます。
 
見て驚くのは、ドレンボルトに10ミリの6角レンチをはめるスペースが全くないという点。たしか3cmくらいかなぁ。
だから、6角レンチをはめるのではなく、6角レンチを金太郎飴の様に切断し、超短い6角レンチをボルトにはめ、それをメガネレンチでかまして緩めるといった方法しか考えられません。ディーラーではSSTがあるのかそれともこの方法なのかな?
 なので、まずはSSTを作らねばならない。といっても250円程度の6角レンチを1.5cmくらいに切断するだけです。わたしは妻の実家のディスクサンダー?を借りて、100円ショップで買ってきた金属切断用刃を取り付け、4〜5分くらいで切断しました。サンダーない方は、サンダー借りるとか、町工場に切ってもらうとか工夫するしかないかも。または10ミリの高さ15〜20ミリくらいの「高ナット(長ナット?)」をがんばって探すとかしかないですね。
←6角レンチを切断して作った6角超ミニレンチ。これを10ミリのメガネレンチに通し、ドレンボルトに取り付けて回してやろうって魂胆です。
 
→ギアオイルは黄帽で一番安いバーピスを2L。75w-90です(2200円〜2400円/2L位)。ホントはワコーズのRG-75w90が好みですが高くてねぇ。
 10ミリ6角ミニレンチが用意できたら、あとは12ミリ六角レンチ、ギアオイル(粘度は75w−90がいいと思う。というかそれ以外入れたことない)を2L、シリコンのシールテープ(水道管などに使うやつです、ホームセンターで100円くらい?)、ペットボトル(2L)、「1Lオイル用にホームセンターとかカー用品店にただでおいているジャバラ」(←ぜひとも入手してください)、熱湯(必要に応じて)、オイルパックリ、でかいメガネレンチ(必要に応じて、迫られたら買ってくだされ)か金づち、くらいかな。
 
 まずは車をジャッキアップしてウマをかけ(私はカーレールを使用してますが)、アンダーカバーを外します。
 次に12ミリの供給口を緩めます。なぜなら、この6角ボルトがメチャメチャ硬いから。全くもって硬い。とにかく硬い。だから最初に供給口を緩めましょう。オイルを排出してしまってから供給口が緩まらなかったなんて、笑うに笑えない状態ですから。
 私の場合、6角レンチだけでは全く緩まなかったです(反時計回りで緩まります)。んで、レンチが直角に曲がっている部分に手を添えて、トンカチでレンチ下端を、カーン!、カーン!!とぶっ叩きました。数十回ぶん殴ったら何とか緩まりました。絶対に真似しないでくださいね。
 次に、超ミニ10ミリ六角レンチをドレンボルトにはめ、10ミリメガネレンチをはめてドレンを緩めます。
 
 私は最初、ラクをしようと思ってメガネではなく10ミリラチェットレンチをはめて回そうとしたのですが、全然緩まず、緩めようとするトルクに負けてラチェットレンチの山がガリガリ削れてラチェットレンチを1本ダメにしてしまいました。つまりそれくらい硬く留まっているということです。絶対にメガネレンチにしましょう。んで、こっちは金づち作戦もダメ。全く回らず。だんだんイラついてくる。
←切断して作った超ミニ6角レンチをドレンにはめ、、、
 
→10ミリメガネレンチで反時計回りに回すものの硬くて全く動かず。
トンカチでガンガン叩くも効果なし(絶対に真似しないで下さい)
←最後の手段。
10ミリメガネに更にでかいメガネをかませて「テコの原理」で大トルクをかけてあげたら、パキッと音がした後すんなり回りました。
最初のパキッて音は、接着剤の役割を果たしていた液体パッキンからドレンボルトが開放された音だと思う。
こんな大トルクをかけなければ緩まないなんて「液体パッキンざけんな」と心の中で叫びました。私はこの「液体パッキン」が大嫌いになりました。
 
今回は水道管用(と言うわけではないのだが)に使われているシールテープ(なぜか私の工具箱には2個転がっていた(謎))を使用してボルトを締めようと決心。
 最後は工具箱に入っている一番でかいメガネをさらにかまして長ーいメガネにして、大トルクをかけたらパキッと音がして回りました。これは鉄パイプとかでもいいと思うが、もしやられる方は自己責任でお願いしますよ。
 ここまできたらあとはらくな作業です。
 ドレンボルトを外し、オイルを抜きます。もちろんあらかじめ下にオイルパックリかオイル受けを置いて抜きます。この時、リアの両サイドもジャッキアップし、なるべく水平かリアの方が高くなるようにしないとオイルは完全には抜けないでしょう。
↑オイル排出。トローリという感じ。
↑色はきったねぇ。黒々です。旧オイルはワコーズ。これで2万`だから、色はあまり関係ないのか?
↑排出時はリアも両サイドをジャッキアップすると全量きれいに抜けるはず。カーレール、ウマ、ジャッキが総動員です。
 10分位放置するとだいたいのオイルは抜け切ると思う。ポタッ、、、、、、ポタッくらいでOK。そしたら、シールテープを2〜3週くらい巻いたドレンを再び締める。シールテープなのでオイルが漏れることは無いが次回緩まるのに苦労する事もないだろう(自己責任で行なってくだされ)。また、次回は超ミニ6角レンチを作る必要もないのでMTオイル交換はメチャクチャラクになるはず。この満足感がDIYの醍醐味ですねぇ。
 
←シールテープを2〜3週巻く。巻く向きに注意。つまり締めるときにテープが緩まる方向にまいちゃダメよ、ということ。
(皆様は液体パッキンをご使用くだされ)
 
→元の様にツライチ位まで締めていきます。
 後はオイルをドクドクと注ぐだけである。オイルは冬はバケツの熱湯風呂に肩まで入れて温まってもらって(笑)、サラサラにするほうがいいと思う。15分くらいで温まると思うので、オイルを抜く時間でこれをやってもよいかも。
 それを2Lのペットボトルに注ぎいれ、そのペットボトルにジャバラをくっつけて、あらかじめ緩めておいた12ミリの供給口からドクドクと飲ませてあげるだけ。この時、オイルが供給口から溢れるまで入れると終了なので、下にはオイルパックリかなんかをおいておいた方がいい。旧オイルをうまく排出されていれば、ほぼ2L飲み込みます。
←じょうご(100円ショップ)で、洗浄し、乾燥させた2Lペットボトルにオイルをいれ、、
 
→ジャバラをつける。このジャバラ、ホームセンターではオイルコーナーにいくと大抵無料でいただける。カー用品店でもレジで購入者にくれる。ギアオイルを購入する際にゲットすべし。ちなみに私は2個あまってる。
そしてこれがなぜかペットボトルにピッタリなんだなぁ。世の中うまくできてる。
←ジャバラを供給口に突っ込み、エイヤっとペットボトルを逆さにするとミッションは、ゴクッゴクッとオイルを飲み込んでいきます。数千円するポンプ使ったりチマチマシャンプーのポンプ使うより一番ラクな方法だと思う。
 
→ジャバラから溢れるまで(ほぼ2L)飲ませてあげる。もちろん下にはパックンをおいておくべし。
←タラーッと溢れるオイルが少なくなったらシールテープを巻いた12ミリ6角ボルトで栓をする。(皆様は液体パッキンをご使用してくだされ)
 
→余り。100〜200mlくらい余りました。仕方ないのでオイルパックンで捨てる。
 溢れたら供給終了。溢れがおさまってきたら、シールを巻いた(皆様は液体パッキンを使用してくださいね)キャップを締めて終了です。だいたい1.8L位は飲み込むので、オイルは2L購入で丁度良いです。
 次回からはミッションオイル交換もラクになることは目に見えているので、MTオイル75w-90が安いときに買っておこう(もちろんジャバラはゲットしておくのを忘れずに)。
 
 
 
 
 
 
MTオイル交換インプレッション
 交換後2週間でのインプレッションですが、若干シフトの「はいり」がスムーズになった点を除けば、大きな体感効果はありませんでした。
 元々スコスコはいる状態であったこと
 オイルを一番安いものをチョイスしたこと
 以前はワコーズの倍くらいの価格のものを使用していたこと
等が考えられますが、元々よかった状態を維持させるために交換作業したのですから、特にフィール向上の期待も大きくなく、「まぁこんなところだろう」と思います。
 以前ワコーズに交換した際には、なかなかまろやかにシフトチェンジできるようになったぞ!と感じたので、その前のオイルが劣化していたか、オイルそのものが良くなかったのか、ということでしょう。
 
 今現在、スコスコ調子よく入る「当たり」の車を所有している場合は、定期的(2〜3万`くらい?)に交換するほうがいいかも(せっかく当たり車なんだから)。また、残念ながらシフトのはいりが良くない個体(イタ車なので個体差大きいと思う)の場合、粘度規格のあった(75w80wとか75w90とか)オイルを、ちょっと奮発していいものに交換してみるのもいいかも。ということは、いずれにしても定期的に2〜5万キロくらいで交換したほうがよいということですね。
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