ブレーキパッド、フルード交換(後編フロント編)
祝!? 今後ともヨロシク。
 リア編の続きです。
 リアを無事やり遂げたあなたなら、一度死にかけたサイヤ人のごとくパワーアップしているはず。フロントはかなり簡単に感じることでしょう。しかし油断してはなりませんよ。フロントはリアとは構造が異なります。何事も真剣に取り組みましょう。当たり前のことですが、
 
 ブレーキは自他の命にかかわる大変重要なシステムですので、自信のない方はDIYは諦めましょう。難しい作業ではないですが、私のページを参考に作業され、万一重大な事故が発生しても私は責任をもてません。もし作業される場合、100%自分の責任で作業し、念には念をいれて作業中、作業後の安全確認を行なってください。
 
 
 フロントの場合、サイドブレーキ云々の作業がないのでラク。サイドブレーキは効かせておいた方が良いでしょう。右から交換です。まずはジャッキアップし、ホイールを外します。そしたら、ハンドルを右に切ります(その方がキャリパがグワッと外側に顔を出して作業がラクになるから)。次に針金のロックピンをペンチで外します。次に、下の写真右の赤矢印のスライドピンを7mm6角のラチェットで緩め、ピンを外します(外すときにキズをつけないように注意)。その後、黄色丸のセンサーカプラーを外します。
 
←写真中央のロックピンをペンチで外す。ただ抜き取るだけ。→次に裏側のスライドピンボルト2箇所(赤矢印)のプラスチックフタを手で取り、中の7mm6角ピンボルトをラチェットで外します。↓スライドピンはある程度まで緩めると共回りしてそれ以上ピンが出てこなくなるので、反対端のボルトの皿にラジオペンチを引っ掛けて押し出してやる。この時、絶対にねじ山を潰したり、ピンのスライド部を挟んだりしないように注意。
 
 
 
↓センサーカプラーも外しておく。
 
 
 
 ここまでやればキャリパが外れます。リアと同様、キャリパを上下にゆすれば少しずつずれて、外れてきます。完全に外す前に、キャリパを左右にひねり、ピストンを戻しておきましょう(テコの原理です)。フロントはリアと違い、これだけでピストンが戻るのでラクです。力いっぱい左右にひねると、ギューッと戻っていきますが、例によってチョーシこいてるとボンネットのフルード供給タンクからフルードが溢れますので、事前にエアを噛まない程度にタンクのフルードを100円スポイトで抜いていると安心です。まぁスパイダーの場合、溢れてもタンク自体が受け皿の形状(リア編ページ最下部の右写真参照)ですので多量に溢れさせなければ大丈夫です(万一少量溢れてしまった場合、しっかり拭き取っておきましょう、塗装を犯す攻撃性の高い液体です)。ピストンを戻す→タンクを確認→溢れそうならスポイトで抜き取り→ピストンを戻す→ を繰り返し、ピストンをきちんと戻します。
 ピストンが戻ったら、キャリパを外し、針金でスプリングに吊るします(フロントはスプリングに吊るせるのでラクですねぇ)。これで安心、ゆっくりパッドを外してください。内側のパッドはセンサーケーブルつきで、キャリパのピストン内側にはめ込みピンで固定されてますので、こじ取ります。
←キャリパを外したら、針金で吊るす。
→新旧パッド。結構減ってた。(はめ込みピンはキャリパに固定するためのもの)
 
↓新旧パッド(センサーケーブルつきは内側用)。形状はもちろん一緒。
 
 
 
 新パッドにパッドグリスを塗ります。ケーブルつきの内側用は金具の接触部とピストンが当る部分に、外側用にはキャリパが当る部分に。あとはパッドを組んで、センサーケーブルをキャリパに通し、キャリパを戻します。センサーのカプラーを接続し、カプラーをカプラー固定金具に固定するのを忘れずに(写真右下)。ちなみに右下写真中央のキャップつきデッパリ8mmボルトがフロントのフルード排出ボルトですよ。
 もちろんキャリパを固定する前に、7mm6角スライドピンをブレーキクリーナーで洗浄し、シリコンペーストグリースを塗り塗りするのを忘れずに。ボルトネジ部にはグリスを塗ってはいけません(当たり前ですが)、あくまでスライド部に塗ってください。
←ダストが固着し、汚れたピン。ブレーキクリーナーで洗浄し、ブレーキ用のゴムもOKのシリコンペーストグリスを塗ってから組み付ける。せっかくパッドを交換するのならこの作業はやっておいた方がよい→
 
 
 
 
 キャリパの針金を外し、組み付け、グリスアップしたピンを7mm6角でキチッと固定し、プラスチックキャップを被せたら、ロックピンを再び取り付けます。ロックピンは中々付きづらいですが、コツは、下を最初に固定して上の穴にさした後、ペンチで最上部を引っ掛けるとうまく取り付けることが出来ます。これでパッド交換は終わり。後はフルード交換です。
 私のフロントキャリパはATE製で、フロントのフルード排出口ボルトはリアと同じ8mmメガネでしたが、ホース取り付け口がリアより若干小さめでした。したがって、ホースはリアに使用した後そのまま使うと取り付け口がユルユルだったので、ハサミで先端1cm程度切り、広がっていない部分を取り付けました(もちろん8mmメガネを取り付けた後ですよ!)。エア抜きの要領はリアと同じです。ホースを一旦上に導き、エアの再混入を防止することやフルードの色を確認すること、フルード供給タンクを空にしないよう、絶えずタンクにフルードを補充すること、エアーが出てこないことや逆流防止弁手前のホースにエアーが認められない事をしっかり確認することが注意点でしょうか。リアをしっかり行なえば、コツは同じです。
 エア抜きが終わったらタイヤを組んで廃油をオイルパックリで処理し、安全確認を行なって終了です。廃油処理はしっかり行なってくださいね(使用したペットボトルはリサイクルできません。普通、一般ゴミです)。環境には大変有害ですので環境に排出するのは絶対にやめましょう。また、路上に出る前にブレーキがちゃんと効くか確認し、確認後の初運転も徐行で効きを確認しましょう。ブレーキは新品に交換するとほとんどの場合、効きが甘くなります。接触面積が減るので当然の原理です。しばらくはおとなしく走りましょう。
←廃フルード処理は確実に行なってくださいね。モラルある行動をしましょう。
 
 
 
 
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